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南無阿弥陀佛とお唱えしましょう。

上福寺本堂 平成の大普請

G仏具が修復されました

 お盆の慌ただしさが落ち付き、秋へと向かう9月になりました。8月9日の施餓鬼にお参り頂いたお檀家様はすでにご覧になったことと思いますが、5月末日に竣工を迎えた本堂の中身について、今回は掲載させて頂きます。




4月下旬にそれまで板張りのままであった本堂外陣(げじん)に、畳が敷かれました。






真新しいイグサの香りに、本堂内が包まれました。
本堂以外の書院やお座敷にも同じように、畳が敷かれました。





 仏具に関して、旧本堂にあったものの多くはお檀家様より寄贈して頂いたものです。この仏具の多くは可能な限り修理・修復を施して、新本堂でも使用させて頂いております。しかし、御本尊の阿弥陀様を安置する宮殿(くうでん)と、この宮殿の下に配置する須弥壇(しゅみだん)という大型仏具と、内陣内に配置する天蓋(てんがい)という仏具は、損傷と老朽化が激しく、検査の結果修理出来ない状態であったため、本堂新調に合わせて新調させて頂きました。
 
さてこの畳が敷かれる少し前、本堂内に須弥壇と宮殿が組まれました。





まずは須弥壇(写真下部・朱塗りの仏具)が組まれ、その上に宮殿(写真上部・黒塗りの仏具)が組まれました。

写真では宮殿はまだ組み立て途中で、段階的に次は屋根が組まれます。








5月上旬には屋根が組まれ、またその両隣には憧幡(どうばん)という大型仏具も取り付けられました。


憧幡(写真右側)は昭和2年に旧本堂に寄贈されたもので、本堂新調に合わせて修理・修復が施されました。言わなかったら新品に見えるぐらい綺麗にして頂きました。また写真左側が天蓋という仏具です。





ちなみに修復前の憧幡は左の写真です。全体的に黒ずみ、また所々部品が欠損していましたが、こちらの方も欠損したものを付け直して頂きました。







 また1対の常花(じょうか)という仏具もあります。


こちらは大正12年に寄贈して頂いたもす。年数でいうと約100年前のものですが、こちらも修復して頂くと・・・

写真のようになりました。まさに新品のようですね。
「職人さんって凄いなぁ」と、思わず口から出てきます。

このように数々の仏具と、他に照明器具も同じく修理・修復して頂きましたが、忘れてはいけないのが御本尊である阿弥陀様です。


 以前行われた貝塚市の文化財調査では、江戸時代前期に制作されたと推定されています。長年上福寺をお守り頂いて来た御苦労もあってか、黒ずみが目立ち、綺麗にお色直しをして頂くことになりました。
 また阿弥陀様の両隣に配置する観音菩薩(かんのんぼさつ)と勢至菩薩(せいいぼさつ)の仏像も同じくお色直しをして頂きました。
   
   阿弥陀様の仏像の下には、こんな立派な台座があったとは…。

また観音菩薩像(右上写真)は本来香炉(こうろ)を両手で保持しているのですが、どこに忘れてきたのか、香炉が見当たりません…(笑)。

これらの3体の仏像をお色直しした結果

 このように仕上げて頂きました!3体とも金箔の塗り直しや、欠損していた部品等も新たに付け直して頂きました。観音菩薩の香炉も返ってきております。この仏像が作られた時も、このような美しいお姿をしていたのでしょうか。本来のお姿にお戻り頂きました。

 また恥ずかしながら阿弥陀様がお座り頂いている台座ですが、修復作業をして頂いて気付いたことがありまして…
   台座には細かな彫刻が施されていました。
 台座は六角形の形をしていますが、その面ごとに美しい彫刻があります。
   

この他に修理・修復をして頂いた主なものは…
   照明器具
   
   本堂右側
善導大師像
   本堂左側
法然上人像

…以上です。これらは痛み・損傷の激しかったものです。長年旧本堂とともに上福寺をお守り頂いて来た物も、阿弥陀様と同じく本来のお姿にお戻り頂きました。
 またこれらの仏具以外で比較的に痛み・損傷が少ないものであっても、塗り直し等の作業をして頂いて新品同様の姿になっております。

 お参りして頂いた際には、どうぞご覧下さい。

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